予想に反して、メシがうまい。
「世界屈指のメシマズ大国」として知られるアメリカだが、なんのなんの。うまいよ、メシ。これは反面当たりで反面はずれである。ひとつは味はあくまで個人の好みであって、口に合う人にとってはハンバーガーだろうがキュイジーヌだろうがうまい、という意味。もうひとつ、アメリカ料理以外はうまい、という意味。多国籍都市ヌーヨークでは、世界中どんな国の料理だって食べられる。特にアジア系は本場の味が手軽に楽しめるだけあって、日本人にとってはかなり嬉しい環境である。焼肉最高、カリー最高!
とはいえ、「おいしいものをちょっとずつ」な日本文化と違って、こちらは「どやオラ〜!」な大皿一品料理が主流。1品1000円としても、ちょっとしたレストランで何品か頼むとあっちゅーまに3000〜4000円くらいになってしまう。さらに消費税8.25%(!)、チップが総額の15%〜(!!)なんて計算していると、気づけば倍額。外食なんてめったに無理じゃっちゅー話やね。
というわけで、ヌーヨーク生活は自炊が大前提。全米一物価が高いと言われるヌーヨークだが、それでも東京に比べるとだんぜん安い。この2ヶ月暮らしてみて、東京にいた頃より生活費が半額になった。この「金がなくても暮らせる」環境というのは、ストレスがぐっと減るんですなあ。ビックリですわ。
で、自炊である。値段が安いのはいいが、アメリカの食材は謎だらけ。例を挙げてみるとノ。
◎野菜
日本と同じ値段でボリュームはおおむね1.5〜2倍。たっぷり入って1ドル(110円)前後。でもビックリするほどすぐ腐る。買ってすぐ使い切るかゆでて冷凍するかしないと、無駄なく使うのは不可能。
▲野菜は総じて安い。でもすぐ腐る
◎牛乳
2%、1%など微妙なパーセンテージで調整された水っぽい低脂肪乳が主流(こんなところに気をつかうならハンガーガー食うのやめろアメリカ人)。他にもビタミンA、Dなど、一体どんな調整してるんだ?といぶかしくなる謎のミルク多数。賞味期限は2週間ほどと書いてあるが、すぐ腐る。アホみたいにでかい1ガロン(3.8リットル)ポリタンクが主流なんだが、日本でよくある1リットルサイズ(約100円)を買っても、飲みきったためしがないほどすぐ腐る。牛乳愛好家アキエダが牛乳を飲みきる日は来るのか。
▲牛乳、卵、マッシュルーム、いずれも99セント。安いけど不自然に腐らない。
◎卵
1ダースで1.30ドル(150円)程度。ビックリするほど腐らない。でもよく割れている。買う時はスーパーでパッケージをパカッと開けて、割れてないか確かめてから買うのが鉄則。品質によっていくつかのグレードがあり、生で食べるならちょいと高めのAAA(トリプルエー)でないと腹くだす。
◎豆腐
Firm(かため)、Medium(普通/木綿)、SoftenまたはSilk(やわらかめ/絹)の3種類が一般的に置いてある。日本サイズの2丁分くらいで1.20ドル(130円)くらい。ビックリするほど腐らない。なんでしょうか、1ヶ月以上もつ豆腐って…。
▲絹豆腐ならHouse製に限る。それ以外はすぐ崩れるか、めっちゃ固いかどちらか。ちなみにパッケージには「パンケーキやスムージーにどうぞ」と書いてある…。
◎パン
日本で言えば、サンドイッチに使われる8枚切りサイズの食パン2斤分くらい入って99セント(100円)。これがまた、ビックリするほど腐らない。常温で1ヶ月はもつ。知人S嬢によると、半年置きっぱなしでカビひとつ生えてなかったという証言も。何を入れたらパンが半年もつんでしょうかノ。以来S嬢は日系のパン屋さんでしかパンを買わなくなった。
▲常温でも最低1ヶ月は腐らない魔法の食パン
そんな感じで、アメリカ食材は総じて量が多く安い。でもなんかおかしい。ついでに言えば、こちらのオーガニック野菜は妙にツルツルと美しい。農家のM嬢が「普通、逆だよね」と首をかしげていた。やれクジラはあかん、ベジタリアンだダイエットだとやかましいアメリカだが、足下をみれ足下を!と言いたい今日この頃。最近は生鮮食品はクンクンにおい、スナック類はシャカシャカふって、隅から隅まで見極めてからしか買わなくなった。日本でやったらかなりアヤシイ人です。
★☆★ 今週のイノキ ★☆★
イノキ妻の出現により、キッチン出没率が激減したイノキ。こないだ久しぶりに会ったので「奥さんかわいいね」とお世辞を言ったら、クシャおじさんみたいにクシャーって喜んでいた。「でも彼女は英語しゃべれません」「知ってるよ」「でも日本語はしゃべれます」「え?」「冗談デス、わっはっは」ノそんな冗談はいらんよイノキ。ちなみに髪が短くなっていたので「いいじゃん」と言ったら、やっぱりクシャーって笑っていた。よく見たらキッチンのゴミ箱に切られた髪の毛の残骸。おのれイノキ。
▲フルーツが安くて豊富なのは、さすがアメリカ。でも秒速で腐る。
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